| (1) 少年が萎縮してしまうこと |
少年は,成長発達の途上にあり,精神的に未成熟であり,特に少年審判が事件発生から間もない期間に進められるため,犯罪被害者等が少年審判を傍聴すると,少年が精神的に萎縮し,審判廷で率直に心情を語ったり,事実関係について発言することができなくなるおそれがある。 これにより,少年の弁解を封じ込めて,誤った事実認定をするおそれが生じてしまう。 |
| (2) プライバシーに関する事項を取り上げることが困難になること |
被害者等が傍聴している状況において,裁判官や調査官等が,少年の生育歴や家族関係の問題といったプライバシーに深く関わる事項を取り上げることが困難化するおそれがある。
かかる事項を取り上げずに少年審判を行えば,少年審判の内容が表面的に現れた事情だけに基づく形式的なものになりかねない。 |
| (3) 少年審判のケースワーク機能が減退すること |
少年審判は,少年の未成熟さを考慮し,少年の心身の状況に最も相応しい対応をするべく,少年への責任追及のみを中心とするのではなく,少年みずからが問題を解決できるように援助するというケースワーク機能を有している。
しかし,犯罪被害者等が少年審判を傍聴するのであれば,裁判所としては少年の責任追及を中心とした手続を進行せざるを得なくなり,少年審判のケースワーク機能が減退してしまう。 |
| (4) 保安上の問題等が生じること |
一般に少年審判法廷は,刑事裁判法廷と異なり,非常に狭く,傍聴席もおかれていない。このため,犯罪被害者等が少年審判を傍聴するのであれば,犯罪被害者等と少年の距離は極めて近くならざるを得ない。
特に,事件発生から間もない期間に少年審判が行われることを考慮すれば,犯罪被害者等と少年はお互いに極めて緊張感の高い状況となり,保安上の不安も生じる。 |