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くま弁だより

せいかつQ&A

遺産相続の権利(熊本日日新聞 2013年9月14日付)

Q 母が突然の病気で他界しました。弟から、母の唯一の財産であった自宅を全部、弟に相続させるという遺言書があるので、私に分けるものは何も無いという手紙が来ました。私は母の遺産を全く受け取れないのでしょうか。

A お母さまの、弟さんに遺産をすべて相続させるという内容の遺言、つまりあなたが遺産をまったく相続できないこととなる遺言は、法的に有効とされています。
 しかし法は、遺言書を作成した人の死後の財産の処分の自由について一定の制限を設け、兄弟姉妹以外の相続人、具体的には配偶者と子や親で相続人となった人のために、遺留分という権利を認めています。いわば、遺産の最低保障です。
 遺留分は、大まかには法定相続分の3分の1または2分の1相当です。あなたの場合、相続人が兄弟の2人であれば遺留分は4分の1が目安となります。
 この権利を行使する上で注意しなければならないことは、遺留分を侵害されたことに気づいた時から1年以内に請求しなければ、権利は時効により消滅してしまうことです。
 この遺留分減殺請求権が行使されると、遺留分に見合った範囲で遺言の効力が失われ、遺産を受け取ることができます。
 ただ、弟さんがあなたの遺留分に見合った価額を金銭で弁償すれば、あなたは金銭を受領することはできますが、お母様の自宅についての権利を取得することはできないことになっています。

弁護士 奥村 惠一郎