トップページ > せいかつQ&A > 身元保証人の責任(熊本日日新聞 2014年6月4日付)

くま弁だより

せいかつQ&A

身元保証人の責任(熊本日日新聞 2014年6月4日付)

Q 数年前に親戚の子どもが就職するということで、頼まれて身元保証人になりました。ところが、その会社から私にその子どもが会社の金を横領したということで突然、損害賠償請求されました。どうしたらよいでしょうか。

A 身元保証は、親戚関係で断れないなど、安易に保証人になることも多い保証契約です。ですが、期間が長期に及んだり、責任範囲が無制限では、保証人にとって酷です。そこで身元保証に関する法律(身元保証法)は、身元保証契約の存続期間や保証責任を制限しています。身元保証の存続期間は上限を5年、期間の定めがなかった場合は3年とし、更新は可能ですが、自動更新は無効です。
 ご質問の場合、契約の更新なく期間を経過した後に、横領事件を起こしたときは、保証責任は発生しません。また、期間内に事件を起こした場合でも、会社は従業員の監督義務があるわけですから、全責任を保証人に負わせるのは相当ではない場合があります。
 同法は保証責任について「従業員の監督に関する使用者の過失、保証をするに至った事由、従業員の任務又は変化等、一切の事情を考慮する」としています。裁判例では、管理・監督体制の不備といった使用者の過失・重過失を理由に責任を軽減している事案がかなり見られます。
 どの程度の責任になるかは、事実関係で異なりますので、詳細は専門家に相談することをお勧めします。

弁護士 福山 素士

その他 2014/06/04