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くま弁だより

せいかつQ&A

倒れた父の入院費どうすれば(熊本日日新聞  2015年10月21日付)

Q 1週間前、1人暮らしの父親が脳梗塞で倒れました。会話もできない状態です。入院手続きは私がしましたが、今後の入院費や生活費などの支払いのため、父名義の預金通帳と届け出印を持って私が銀行へ行ったところ、「本人でない人は、払い戻しの手続きはできません」と言われました。どうしたらよいでしょうか。

 A 金融機関が「本人確認ができない」という理由で、通帳と届け出印を持った子への払い戻しに応じないのは、金融機関のルールである以上、やむを得ません。当分の間、入院費などの立て替えも検討しなければなりません。

 そして父親の体調が回復しなければ、家庭裁判所へ申し立てて成年後見制度を利用し、あなたや親族が成年後見人となり、父親本人の権利保護を図る必要があります。預金の払い戻しもできます。
 この制度では、本人に残された判断能力に応じ「後見人」「保佐人」「補助人」が選任されます。それぞれ一定の権限を持つ保護者で、本人の能力不足を補います。また、保護者の権限を無視した本人の行為(本人が被害を受ける契約など)を取り消すことができ、本人の財産や権利を守れます。
 経済的に余裕のない高齢者や障害者も、この制度を利用できます。手続きは、診断書などの書類を整えて進めますので、専門家や家庭裁判所に相談してください。
 現在は十分な能力のある本人が将来に備えて、あらかじめ信頼できる人を後見人予定者とする制度もあります。
                            弁護士 大村豊

成年後見 2015/10/21