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くま弁だより

せいかつQ&A

瓦落下で隣家に被害 (熊本日日新聞 2016年6月28日付)

 Q 地震で自宅の瓦が落ちたり、ブロック塀が倒壊したりして、隣の家の車などに当たってしまいました。弁償しなくてはいけないのでしょうか。

 A 熊本地震の発生後、このような相談が数多く寄せられています。建物や塀の持ち主は、隣人に修理代を払わないといけないのでしょうか。
 私たちが他人に弁償しなくてはいけないのは、大まかにいえば、自分の落ち度のせいで他人に被害を及ぼしてしまった場合です。今回の地震のように大規模な自然災害が原因の場合、多くのケースは落ち度がない不可抗力と考えられるので、法律上、弁償の義務はありません。
 しかし、建物や塀などの構造物が通常求められる安全性を欠いていたために、比較的弱い地震で倒壊したというような場合には、不可抗力とはいえないとして、責任が生じる可能性があります。
 過去には、震度5に耐えられる安全性があるかどうかを基準とした判例があります。今回の地震でも、その場所の揺れの大きさなどによっては、持ち主に賠償責任が求められる可能性はあるでしょう。
 また、建物や塀が倒壊しかかっているのに修繕を怠っていたような場合、怠っていたこと自体を落ち度とされる可能性もあります。早急に警告の文書を貼るなどした上で、早めの応急処置をしたほうがよいでしょう。
                           弁護士 田上裕輝

震災関連 2016/06/28