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くま弁だより

せいかつQ&A

相続放棄の熟慮期間(熊本日日新聞 2016年9月6日付)

 Q 父が8月に亡くなりました。法定相続人は、熊本に住んでいる私と東京で暮らす弟の2人です。父には借金があったようですが、詳細は分かりません。

 A 被相続人が亡くなると、その法定相続人は原則として、被相続人の財産も債務も全て引き継ぐことになります。被相続人に債務が多く、相続したくない場合には、相続放棄(または限定承認)をする必要があります。
 相続放棄をする場合は原則として、自己のために相続の開始(被相続人の死亡など)があったことを知った時から3カ月の熟慮期間内に、放棄する意思を家庭裁判所に申し立てなければなりません。3カ月のうちに家裁に請求すれば、熟慮期間の延長も可能です。
 熊本地震では特別措置法に基づき、前震発生日の4月14日に熊本県に住所を有していた相続人については、被災の有無や被相続人の住所にかかわらず、熟慮期間が12月28日まで延長されました。期間内に請求すれば、さらに延長も可能です。
 質問のケースでは、熟慮期間が自動的に12月28日まで延長されます。東京の弟については、3カ月以内に熟慮期間の延長請求か相続放棄を申し立てなければ、相続を承認したことになります。
 熟慮期間内であっても、相続財産の全部または一部を処分するなど所定の行為をしてしまうと、法律上相続を承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなる場合があり、注意が必要です。
                           弁護士 田中智之

震災関連 2016/09/06