トップページ > せいかつQ&A > 死亡保険金の受け取り(熊本日日新聞 2017年4月5日付)

くま弁だより

せいかつQ&A

死亡保険金の受け取り(熊本日日新聞 2017年4月5日付)

 Q 亡くなった父の相続手続きを進めようと思っています。調べてみると、母を受取人とする死亡保険金が支払われることが分かりました。母と折り合いが悪い兄が、保険料を払ってきたのは父だという理由で保険金も分けるよう求めています。私は、今後の生活のために母に使ってほしいと思っています。兄の求めに応じなければならないのでしょうか。

 A お父さんの遺産の分け方は、相続人であるお母さんやお兄さんと話し合いをして決めますが、話し合いがつかなければ法律で定められた法定相続分(お母さんが2分の1、お兄さんと相談者が4分の1ずつ)に従うことになります。
 しかし死亡保険金については、保険契約の効果として、契約で指定された受取人が直接取得し、相続人で分ける相続財産には含まれないと理解されています。そのため、受取人がお母さんとなっている死亡保険金は、基本的に相続手続きとは別にお母さんが直接受け取ることができ、お兄さんの求めに応じる必要はありません。
 ただし、生命保険の一種である養老保険については、被相続人(お父さん)が保険料を支払っていただけでなく、保険金の額や同居の有無などさまざまな事情を考えて、受取人である相続人と他の相続人との間に著しく不公平が生じるような場合は、相続財産とみなす、とした最高裁判所の判断もあります。見極めが難しい場合もあるので、相談することをお勧めします。

弁護士 森枝大輔